ACSメールマガジン V.022 2008年1月14日(月)発行
● マガジン22号は、昨年12月21日、厚生労働省から公表された「保育所保育指針の改定について」(報告書)の概要を紹介します。
一昨年12月から厚生労働省雇用均等・児童家庭局に設置された「保育所保育指針」改定に関する検討会の15回にわたる会議において検討され、最終的に取りまとめられました。
まず、改定の背景として、子育て環境が子どものみならず保護者においても大きく変化し、「保育所に期待される役割が深化・拡大している」として、“就学前の子どもに対する教育機能の充実”並びに“保護者に対し、就労状況や子どものとの関係等を踏まえた適切な支援、更には地域の子どもやその保護者に対する子育て支援を担う役割”を取り上げています。
・このような背景から、「改定に当たっての基本的考え方」として次の4項目が挙げられています。
(1)「保育所保育指針」を厚生労働大臣の告示とすることにより保育所における保育の内容やこれに関連する運営に関する事項を定めた最低基準としての正確を明確にする。
(2)保育の質を向上させるための各保育所の創意工夫や取り組みを促す観点から、内容を大綱化する。
(3)子どもの保護者にも理解される内容となるよう、明解で分かりやすい表現を用いる。
(4)解説を作成し、内容の解説や補足説明、保育を行う上での留意点、各保育所における取組の参考となる関連事項等を記載する。
・改定(案)の内容を見ましょう。
(1)大臣が告示する最低基準、大綱化という観点から、構成が現行の13章から7章に大幅に変わります。
(2)第1章総則のなかに、保育所の役割が、第2章子どもの発達のなかに、保育所の社会的責任が明記されています。
(3)第3章保育の内容が、現行の第3章から第10章までが集約され、特に、保育のねらい及び内容において、
ア)養護に関わるねらい及び内容が「生命の保持」及び「健康」情緒の安定」の2領域に、
イ)教育に関わるねらい及び内容が「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」及び「表現」の5領域に
それぞれまとめられています。
また、保育の実施上の配慮事項として、乳児保育、3歳未満児、並びに3歳以上児に分けて述べられています。
(4)第4章保育の計画及び評価に重要な改定が見られます。保育計画が保育課程に改められ保育の基本的な計画として上位に位置づけられたこと、小学校との連携の明確化、保育の内容等の自己評価などが注目されます。特に、計画の展開において、保育実践を振り返り、保育を評価し見直すという一連の保育の改善のための組織的な取組が求められています。
(5)第6章保護者に対する支援及び第7章職員の資質向上が、現行の第13章からそれぞれ独立した章に編成されています。第7章には、施設長の責務として、施設長が保育の質及び職員の資質の向上のために留意すべき事項が明示されています。
・今後の検討課題としては、つぎの事項が挙げられています。
(1)「保育所保育指針」の伝達及び普及 3月末に告示された後、4月から1ヶ年間が予定されています。
(2)保育内容の充実に資するための制度改正 児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)の見直しが行われます。
(3)人材の確保と定着 保育士の資格や養成、研修のあり方についての見直しが必要とされています。
(4)保育環境の整備 保育環境の改善・充実のための方策について検討することを求めています。
(5)保育の質の向上のためのプログラムの策定 国及び地方公共団体に対し、必要な施策を一体的・計画的に推進するためのプログラムを策定し、各保育所における保育の質の向上に確実につなげていく取組が必要であるとしています。
・2009年4月施行に向けて、今後のスケジュールとして、次のように予定されています。
○ 2008年2月上旬 告示案についてパブリックコメント
○ 2008年3月上旬 パブリックコメントにより寄せられた意見の公表、第16 回検討会開催(解説書の公表)
○ 2008年3月末 保育所保育指針の公布
○ 2008年度 保育所保育指針の周知
○ 2009年4月1日 保育所保育指針の施行
・「保育所保育指針の改定について」(報告書)及び検討会の議事要旨は、下記からダウンロードできます。特に、後者には、各種の資料が添付されています。
報告書 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/s1221-8.html
議事要旨 http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#koyou