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ACSメールマガジン V.004 2004年6月1日(火)発行

公表データから読み取る(4)

 東京都福祉サービス評価推進機構から、評価機関が実施した評価結果が公表されています。平成15年度に評価をうけその評価結果が2004年5月30日までに公表された『指定介護老人福祉施設』(特別養護老人ホーム)は155施設となりました。全施設(2004.5.1現在340施設、2004年3月以降開設8施設、及び休止中の1施設を除く)の45%を超える施設が受審されました。
 今回は、これまでと違った視点で分析してみました。公表されている事業評価共通評価項目のうち、「6.サービス提供のプロセス」に関する13項目(「5.サービスの実施」の確認項目6項目を含む)を対象としていることは、前3回と同じです。
  その視点とは、ISO9001:2000(JIS Q 9001:2000)品質マネジメントシステムとの関連を見るということです。財団法人日本適合性認定協会(JAB)ホームページによれば、東京都内における特別養護老人ホーム【指定介護老人福祉施設】(医療及び社会事業の分野)のISO9001適合組織は、11法人、18事業所です。これらのうち、第三者評価を受審したのは、8法人、11事業所、区部(169施設)が4(2.3%)、市町村部(171施設)が7(4.1%)でした。
 これらの事業所に対する評価結果を次の表1,2にまとめてみました(事業所名及び評価機関名は任意に記号化して表示しています)。

表1  ISO9001:2000(JIS Q 9001:2000)品質マネジメントシステム構築施設(以下、「ISO9001適合施設」)

施設 評価期間 所在地 1.情報提供 2.入所時対応 3.水準確保 4.個別対応 6.安全管理 7.要望対応 8.地域交流 小計T 5−1.
食事
5−2.
生活介助
5−3.
機能訓練
5−4.
施設生活
5−5.
プライバシー
5−6.
家族交流
小計U 合計 平均
OK KP 北区 5 5 5 5 4 5 5 34 5 4 4 4 4 5 26 60

4.62

PD HK 渋谷区 4 4 5 5 5 4 4 31 4 4 4 4 4 5 25 56 4.31
SK HK 稲城市 4 4 4 4 4 5 4 29 4 4 3 4 4 5 24 53 4.08
SK HK 世田谷区 4 4 4 4 4 4 5 29 4 4 4 4 4 4 24 53 4.08
SY HK 府中市 4 4 4 4 4 4 4 28 4 4 4 4 4 4 24 52 4.00
OH KK 小平市 4 4 4 4 3 4 4 27 4 4 3 4 4 4 23 50 3.85
WE HK 墨田区 4 4 5 5 4 3 3 28 5 4 3 3 4 3 22 50 3.85
KK SC 小平市 4 4 4 3 3 4 3 25 4 4 4 4

3

4 23 48 3.69
KS HK 狛江市 4 4 4 4 4 4 3 27 4 4 3 3 4 3 21 48 3.69
TS IT 小金井市 4 4 3 3 3 3 4 24 4 3 3 3 3 4 20 44 3.38
MS SJ 青梅市 2 4 4 3 4 3 3 23 3 3 3 3 3 3 18 41 3.15
平均     3.9 4.1 4.2 4.0 3.8 3.9 3.8 27.7 4.1 3.8 3.5 3.6 3.7 4.0 22.7 50.5 3.88
中位     4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 28.0 4.0 4.0 3.0 4.0 4.0 4.0 23.0 50.0 3.85
偏差     0.7 0.3 0.6 0.7 0.6 0.7 0.7 3.0 0.5 0.4 0.5 0.5 0.4 0.7 2.0 5.1 0.39

 まず、11のISO適合施設のうち7施設(64%)が評点3.85以上で、この水準すなわち全155施設の上位10%、16施設の44%を占めています。これらのことは、ISO9001:2000(JIS Q 9001:2000)品質マネジメントシステムを構築している施設の評点が相対的に高いことを示しています。
 つぎに、全体及び上位5施設とを評価項目ごとに比較してみましょう。表2及びグラフをご覧ください。

表2 全体及び上位5施設との比較

1.
情報提供

2.
入所時対応
3.
水準確保
4.
個別対応
6.
安全管理
7.
要望対応
8.
地域交流
小計T
5−1.
食事
5−2.
生活介助
5−3.
機能訓練
5−4.
施設生活
5−5.
プライバシー
5−6.
家族交流
小計U
合計
平均
全体平均
3.3
3.5
3.2
3.5
3.4
3.2
3.4
23.3
3.7
3.4
3.2
3.5
3.1
3.3
20.2
43.5
3.34
上位5施設
4.2
4.4
4.2
4.6
4.4
4.4
4.4
30.6
4.6
4.0
4.2
4.4
3.8
4.4
25.4
56.0
4.31
ISO平均
3.9
4.1
4.2
4.0
3.8
3.9
3.8
27.7
4.1
3.8
3.5
3.6
3.7
4.0
22.7
50.5
3.88

 全体平均及び上位5施設との比較では、ISO適合施設は両グループの中間、やや上方に位置づけられます。
 まず、下図の“サービス提供のプロセス(1)”の7項目についてみると、「1.情報提供」、「2.入所時対応」及び「3.水準確保」では、上位5施設に近い評価を受けており、なかでも「3.水準確保」では同水準の評価となっています。これは、『標準化への取り組み』が進んでいることを示していると考えられます。

 “サービス提供のプロセス(2)サービスの実施”では、「5−2.生活介助」、「5−5.プライバシー」、及び「5−6.家族交流」で上位5施設に近い評価を受けていますが、「5−3.機能訓練」、「5−4.施設生活」では全体平均と大きな差異は見られません。なかでも、「5−4.施設生活」では、全体平均とほとんど差はありません。利用者に対し直にサービスを提供するプロセすの一部で、ISO適合施設が強みを発揮していないとも読み取れましょう。われわれにとっても研究課題となっています。

 【付記】本稿は、これまでと同様、ランキングにつながる総合評価を意図したものではありません。

以上

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